△月○日 建立昭和五年八月と刻まれた白御影の墓石。
実に75年目「洗浄ケア」ということに相成った事例です。
五月晴れともいえる好天の下、歴史という言葉を偲ばせるような、いわゆるお寺様の墓地の片隅に、その”幸せのシンボル(石文化研究所・小畠宏充氏)”は座していらっしゃいました。
緑の風が通り抜け、ちょっと汗ばむ陽気にもどこか爽やかさを感じさせる午前の墓地でした。
その”幸せのシンボル”はダークで光沢さえ垣間見れるほどに汚れに汚れた、哀れなお姿でした。
「きれいになりますか?この黒ズミが、なかなか取れないんです…」と、あれこれ試してこられた洗浄経験のあるお客様は、不安げな苦渋のお顔の表情。
「やってみましょう!」その不安を少しでも和らげるべく、果敢にチャレンジ!?
この事例の仕様は、以前本誌で取材いただきました”DS-201システム”でご紹介しているものです(平成13年2月25日号記載)。

以下その手順です。
竿石、上台、中台は鏡面、芝台はタタキ仕上げ、さらに拝石は水磨き仕上げと、それぞれ異なる石の表面に合わせ、使用する洗浄ツールも用途を使い分け、慎重にも慎重を期しました。
なにせ75年もの間子孫の幸せを願われていたお墓です…。
が、日差しが高くなったお昼過ぎにはケアが完了。
お寺様の墓地ですので、ご住職への作業開始・終了のご挨拶も当然の事ながら、それにも増してお施主様のご先祖様への始業・終業の合掌は決して忘れてはならない大切な心がけ。
「ご苦労様でした。有難うございます」とお施主様と一緒に、今一度合掌し、墓地を後にしたのでした。
※石材呼称は、”御影石”、”大理石”、”ライムストーン”等の通称に従います。
▼施工後
