墓石石材事例019-墓地170年目のケア

○月□日 この案件のお石塔、時代は本事例017の安政六年よりさらに遡(さかのぼ)って、「天保九年戌戌四月」と刻まれていました・・・。

つまりは、1838年現在より169年前の建立、ということになります。例によって、苔・カビ・等地衣類の繁殖が激しく、もぅ~しっかりと根(ね)を張っている状態です。

ご先祖様への、ご挨拶、合掌後の施工手順については、ほぼ事例017と同様の作業となりますが、 特に、今回は諸々の地衣類除去後も、御影石(花崗岩)に付着している、赤茶けた黒ズミなどの除去に手こずる結果となりました。

「日本鋼管(?)工場から噴出する経年の微粉塵が原因ではないか・・・!?」とは、ご担当者のおっしゃることなのですが・・・。
見渡せば、小高い丘の中腹に広がるこの寺墓地内の墓石の、いわゆる水垢黒ズミは全て、赤茶け色に変色変質しているのでした。

    
ドレストン施工
施工前▲

本事例011.012.017及び今回にわたり経年の苔、カビ地衣類等の激しく付着した墓石への「ケア・メンテナンス」が続いています。
こうしたことの教訓として、古墓などのリニューアルをお考えのお客様に対しては、新規建て替えをお奨めする事はもちろんでしょうが、 お客様のご心情をお察し、また、ご先祖様の「お心意気」を大切にしながら、こうした「ケアの意気(粋)」をお奨めいただくことも、この時代に大切な事ではないでしょうか?

加えて私達のビジネスアイテムの一助にもなる・・・とは、何時もの私の謂いなのですが・・・。

★汗ばむ作業の最中、丘の中腹にある寺墓地より振り返りアングルを変えれば・・・、あまりに安らぐ空間の光景に思わずシャッターを押しました。
★今回も、手元の年表を紐解きました。和暦天保九年戌戌は、西暦1838年「幕府武家諸法度発布・・・」、 前年には、大塩平八郎の乱、翌年にはアヘン戦争開始・・・、とありました。(日本史年表・岩波書店)

ドレストン施工
施工後▲

※石材呼称は、”御影石”、”大理石”、”ライムストーン”等の通称に従います。