建築石材事例018-御影石の落書き除去-

▽月○日 開館70周年・徳川園の入り口、かつての尾張家名古屋別邸の「表門」をくぐると、緑に包まれた石畳の向こうに美術館の前景。

公園と美術館が一体となって、ゆったりとした雰囲気が生まれ云々・・・。
徳川美術館のホームページのくだりです。国宝「源氏物語絵巻」の原本を所蔵する名古屋市蓮左(ほうさ)文庫を併設の敷地内は、”華のある建造物。名古屋の数少ない宝と言えます。

その美術館入り口の側面に殴り書かれたような”不埒(ふらち)落書き=グラフィティ”が、今回のターゲット。
何時、誰が、何のために、何を目指して?と、こうした落書きに接するたびに心が痛むのは、建物管理者のみではありません。
”わっ、大変!”と「市販の剥離剤のようなもの!?で洗ってはみたのですが・・・」とは、館内などの清掃担当者の弁。
こうした折の仕儀は、基本的には既にご報告の事例となんら変わりありません。

施工前施工後
施工前▲

デジカメ片手に「取れるんでしょうか・・・?」と不安気げなご担当者に、「あきらめずにチャレンジしましょう!」と、自分自身にも言い聞かせるように、2日間の作業に入ったのでした。

御影石のバーナー仕上げよりもひと回り深く毟(むし)り仕上げのごとくたたかれた凹凸の面(エンボス状態)のため、 件の”剥離剤のようなもの”(溶剤)の除去に思わぬ時間を要しましたが、根気よく除去作業を繰り返すのみでした。

公園を兼ねたオープンな場所柄、朝に夕に、犬の散歩を兼ねたご近所の方が歩みを停め、ベンチで休みながら、はた迷惑なグラフィティが消え去るのを、 時には笑顔で頷きながら見守っていたのが印象的な徳川美術館の石材ケアでした。

▼施工後
ドレストン施工後

※石材呼称は、”御影石”、”大理石”、”ライムストーン”等の通称に従います。