建築石材事例021-フッ化物(?)黒御影の汚れ

○月△日 旧家のリフォーム、立派な木製玄関の染み抜き、塗装施工と、価値ある建物の修復には慎重に慎重を期したいものです。 今回のご依頼は、図らずも、黒御影石に“施されてしまった”フッ化物(?)による汚れ除去です。

ところは、伊勢・松坂。お施主様は冒頭の作業をリフォーム業者に依頼、施工の結果、木製扉は見頃に蘇りました。
ところが・・・。「あっ!」と驚く結果に、現場監督氏はひたすらお詫びするのみなのでした。

施工前施工前
施工前▲

この状態は、私たちがいうところの「第三次汚染」の典型です。 自然の汚れ、あるいは経年による汚れを一次汚染、そして使用素材等から移転したと考えられる汚れを第二次汚染とすれば、これは使用したケミカル、 等の垂れから来た極めて人為的なミスによる第三次汚染に違いありません。

「まぁ、診てください!」歌舞伎門構えのお宅を訪ねると、インターホンの向こうからカン高い声で、奥様からの第一声です。 原因としては、玄関扉の木のアクの染み抜き用に使用したケミカル(恐らく、俗に言うフッ化物等)による汚染、あるいはいたずらの類と考えられます。
同業者(?)の不注意を私からも幾重にもお詫びをしながらのケアでした。

施工手順です

  1. 必要箇所を養生
  2. 清水で十分に洗浄、乾燥
  3. 黒御影石のバーナー仕上げ部位のダメージはシップにより、時間をかけて除去
  4. 鏡面、框の部位は洗浄後にダイヤモンドディスクで慎重に研磨
  5. 乾燥後、今後を考え浸透性保護剤を塗布

慎重施工を要する大切な玄関だけに、二日間をいただいてのケアでした。

せっかくの伊勢路。帰途に“倦まず、弛まず・・・、ひたすら学問に勤しんだ”本居宣長の墓所をお訪ねいたしました。合掌

▼施工後
ドレストン施工後

※石材呼称は、”御影石”、”大理石”、”ライムストーン”等の通称に従います。