建築石材事例022-浴室のエフロ除去

△月×日 当コラム(石材工業新聞紙上)の性質上、「ビフォア&アフター(施工前・施工後)の事例写真はどうしてもほとんどがモノクロ。
汚染状態や完了後の微妙な色相も含めて全てカラーでご覧いただき、皆さんのご参考に供し業界貢献すべきでしょうが、 モノクロでも極力判りやすいケア事例を選んでご紹介しておりますので、了承賜りたいと思います。

さて、今回の事例はいかがでしょうか?

これは、某ゴルフクラブの温泉、男子浴室・洗い場に、“これでもかっ!”と噴出した「エフロ(白樺)現象」の除去です。
しかも、出ている、というだけでなく経年にともなうスケール化(固化)も極度に進行し驚嘆の域を超えた、エフロの典型事例です。

バーナー仕上げの御影石で、一部が鏡面となったデザイン貼りの浴室、敷石の目地周りから浴槽の天端まで・・・。
さらに場内二ヶ所に設置された「かけ湯」の幅広ステンレス蛇口にも(写真には写っていませんが)。全体が白くサビ色を帯びて広範囲にわたって滑(ヌメ)る状態でした。 現場のご担当者は毎日早朝、場内清掃を兼ねて高圧洗浄機で前日の汚れなどを飛ばし、同時にブラッシングしていたそうです。

施工前施工前
施工前▲

そうなのです!実はこの水の汚れが、このエフロの進行を非常にわかりにくくしていたのです。
ご存知のように、石材は一旦水に濡れると、そのダメージが非常にわかりにくくなるのが特徴なのですが、 この場合も、お客様がご利用時には“なんだかちょっと滑るかな”といった程度の認識だったのでしょう。

それがこの度、女子浴室内外の前面リニューアルにあたり、是非この機会にエフロからの回復を、と出入りの石材店様からのご依頼でした。

施工はゴルフ場内の休日を利用し、2日間いただきました。で、この場合の手順です。

  1. 必要箇所を養生します
  2. ポリッシャーを使い清水洗浄。
  3. 専用特殊ケミカルを、その希釈度を十分に考慮しながら、対象部位に繰り返し塗布(今回はそのほとんどが対象部位でしたが)。
  4. スケール化したエフロの乳化を待ち、スクレーバーで固化し盛り上がった塊を慎重に取り除きます。
  5. 完了後に再度ポリッシャーを使って、たっぷりと清水洗浄し、乾燥させます。

なお広範囲にわたる場合は、施工箇所を決めながら順次作業を進めます。細かな手作業になりますが、 石や他の部位へのダメージを避けるためには、あわてず細心の注意を払う必要があることを肝に銘じてください。

施工を終え、ゴルフプレーヤーが心地よい疲れを癒すクラブハウスの光景を思いながら、夕日の美しい峠道を下ったのでした。

▼施工後
ドレストン施工後

※石材呼称は、”御影石”、”大理石”、”ライムストーン”等の通称に従います。