△月□日 中仙道、といえば、浮世絵師“広重”の描く絵街道なのでしょうか・・・。
遡(さかのぼ)って「木曽路」のたびに彼の青春のフラッシュバックを憑(つ)かれた、東山魁夷画伯の「心の旅路館」なのかもしれません・・・。
「歴史ロマン湯の里」に位置して、二の丸を意識させる風格あるたたずまいと合掌造り、銘木と銘石の空間にお客様は城主気分・・・。
これは、今回ご紹介の案件となった山荘(旅荘)のパンフレットにあるPRの一節です。
数ある温泉の中でも珍しいラジウム温泉。その温泉を浴す御影石湯殿洗い場、打たせ湯、かけ湯の各所の噴出物・・・。 経年による複合汚染・変質現象による「エフロ、錆びのようなもの」が、ケアのご依頼でした。
当初電話でお打ち合わせしたものの、現場を見ればヒヤリングで想像した数倍の変質状況。思わず私も「はぁ~て?」と、数ある経験の引き出しを探り当てるのにパニック模様に。
とは言え、この日のテスト施工のために早朝より湯殿を空にしていただき、ご担当者もお忙しい中スタンバイいただいた状況は冥利に尽きるものの、
どこか一種のアセリすら感じます。“この場に及んで”と思いつつ、事前に拝見しておけば・・・。
後悔先に立たず、石のケアは、くれぐれも慌てない事です!

さて、施工手順です
打たせ湯も含めて、良好なテスト結果をご覧になったスタッフの「おっ、貼り替えなくてもこんなに綺麗に蘇るんだぁ・・・」のお言葉に“ふぅ~っ”と胸をなでおろしました。
日本三大山城のひとつで、800年の歴史に一度も落城がなかったという、この街の城址にどこか、街道の頑固さを思いながら帰途「日本大正村・ロマン館」を訪ねてみました。 謂いがたい時代の“倦怠・気だるさ”を垣間見ながら・・・。「また、おいでんさい」心地好い恵那(えな)弁が夕空に残ったのでした。

※石材呼称は、”御影石”、”大理石”、”ライムストーン”等の通称に従います。