ターニングポイント
≪独特の技術で石材ケア≫
今月のターニングポイントで紹介するのは、
”石”の「ケア・メンテナンス」の仕事をしている新田倖石さん(中民商会員)です。
新田さんが扱うのは、ビルやマンションの建築石材から墓石、石像に至るまで様々な石です。
これまで多くの業者が音を上げた「汚れ・ダメージ」に対しても、独特の洗浄方法を用いて再生し、お客様に喜ばれています。
石材洗浄技術は発展途上
新田さんはもともと建築石材の仕事をしていました。バブル期には大忙しかったのですが、
バブル崩壊とともに仕事が激減しました。
「日本古来の建築方法は木造です。日本の大きな石材建築の代表は1920年に着工され36年に完成した国会議事堂です。
だから日本での歴史は浅く、一般の建築に石材が多く用いられるようになったのは最近になってからです。
当然、「ケア」や「メンテナンス」の技法が確立されていません」と話します。
完成した建物の業者と話をしていて、「これからは伸びる仕事」と転機を得ました。
施工錯誤で独自の洗浄法
石材のケア・メンテナンスについて、業者や薬剤メーカーを尋ね歩きましたが、いずれも不十分な状態でした。
本当のところを教えてもらえず独学で勉強する日々が続きました。
その頃の墓石や建築石材のケア・メンテナンスの主流は水による高圧洗浄でした。
しかし長年の間に積もった汚れは高圧洗浄のみでは落ちません。
金属ブラシなどで強くこすれば石そのものを傷つけてしまいます。
薬剤も販売されていましたが、汚れを綺麗に落とすには難しく、
墓石もふくめて、石のリフォームはと言えば建て替えしかありませんでした。
新田さんは「スクラップ・アンド・ビルドは環境破壊の一因になっている。
私は環境に優しい事業がしたい」と試行錯誤を繰り返しました。
その中で「市販の薬とホームセンターなどで買える道具」といった
誰でも手に入るものをうまく組み合わせて独特の施工方法を確立しました。
環境に優しく心を大切に
方法が確立し、普及してくるに従い問い合わせも増えました。
墓石のケア・メンテナンス」を行っていると、他の参拝者が見学に来て「何をしているんですか?」
「お金はいくらかかりますか?」と聞いてきます。
マスコミも新しい仕事と取り上げ、その後は問い合わせが多く続くようになりました。
需要の多い事を実感した新田さんはこの方法を復旧させようと96年にドレストン中部を設立しました。
この仕事をやりたいひとにはノウハウを教えて広げています。
しかし必ず面談を行い自分の事業スタンスに賛同してもらえる人に限っています。
営利目的重視のみの企業とは提携しません。
「墓石はただの流通商品ではない。私は宗教者ではありませんが、お客様のご先祖様に対する想いがつまっている。
扱う人の気持ちが何よりも大切です。つまり心通(こころかよう)商品なのですから」と話します。
技術に自信誇りをもって
日本全国からくる仕事に、新田さんはネットワークを生かして対応しています。
昨年、京都の鴨居側にかかる橋の汚れが目立ち、京都市が建て替えを検討していました。
話を聞いた石材業者からの紹介で新田さんが仲間と協力してケア・メンテナンス工事を行いました。
伝統的な橋が見事に蘇ったと市民の皆様に大変高い評価を得られました。
同業者からは「建て替えていたら多くの廃材が出て新しい石材が必要だった。
新田さんの技術は環境保全におおきく寄与したね」と言われ嬉しく思いました。
仲間と技術ひろげたい
民商に2年前に申告で入会しました。
決算で困っていたら「それなら民商にいけばいいよ」と友達に紹介してもらいました。
様々な業種の会員に接する機会が出来た新田さんは
「今は、建築、製造、飲食・サービスなど、誰もが厳しくて行き先が見えない時代。
墓石や石材建築の「汚れ・ダメージ」で困っている人は沢山いる。ニーズもあり、これから発展すると思っています。
この仕事は現場仕事がほとんどですが腕力はあまり必要なく、技術を身につければ女性や高齢者でもできます。
一緒にやれる人がいれば、是非仲間になりたいと思っています」と話していました。
【2009年(平成21年)2月16日・新聞にて記載】
| 001 | 中部経済新聞 日刊工業新聞 日本石仏協会記事 |
002 | 愛知商工新聞 | 003 |
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